バンコクは不動産バブル?
住宅関連の日系企業のタイ進出が加速している。
タイ進出と言っても、実質的には、バンコク首都圏市場を指し、建物の種類は、積水化学社の積水ハイムを除けば、すべてコンドミニアムに集中している。ちなみに、このバンコク首都圏という呼び方は、バンコク+近隣4県を意味しており、英語ではBangkok Metropolitan Region(BMR)と呼ばれている。以下では、便宜上、BMRで表現を統一する。
2017年のタイ全体の住宅取引高は2兆円を超え、そのうちの65%程度がバンコク首都圏で占められている。
1997年のアジア通貨危機直後のBMR市場は壊滅状態にあったが、この20年間で著しい成長を遂げた。最近の数字を見れば、コンドミニアム、タウンハウス、戸建てを含めて、だいたい10万戸くらいが、BMRで売れていることがわかる。
そして、その内訳は、コンドミニアムが約5割、タウンハウスが約3割、戸建てが約2割といったところである。
興味深いことに、BMRの不動産市場は、販売戸数でみると、依然としてアジア通貨危機以前の水準に達していない。それどころか、2013年頃をピークに販売総数は横ばい、やや減少傾向にある。
その要因は、タイの不動産市場をけん引してきた、コンドミニアム市場の成長が停滞しているからである。2017年頃から、BMRの不動産市場が停滞してきたといわれてきたが、それがいよいよ本格化の様相を強めている。
日系企業のコンド建設がBMRで進んでいるようだが、こちらが心配してしまう。タイ側パートナーの説明を鵜呑みにせず、独自にコンサルを使って、ダブルチェックするぐらいの準備がなければアジアビジネスは難しいかもしれない。
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